環境計量士(騒音・振動関係)の勉強方法や難易度、おすすめの参考書を紹介!

環境系資格
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環境系の中でも非常に難しい国家資格とされている環境計量士の騒音振動関係について、その難易度と勉強方法、おすすめの参考書について紹介していきたいと思います。

 

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環境計量士とは?

環境計量士とは計量法で定められている資格で経済産業省が管轄している国家資格となっています。
計量法で定められている資格としては、環境計量士のほかに一般計量士というものもあります。一般計量士は長さや重さなどを図る資格、環境計量士は環境の濃度や音、振動などを図る資格となっています。
環境計量士はその中でも濃度関係と騒音振動関係の二つに分かれています。

経済産業省のサイトでは以下の通り紹介されています。

一般計量士 生産工場や百貨店・スーパーマーケットで使用される長さ計や質量計、体積計、温度計等の計量器の精度管理や測定計画の策定、実施等の計量管理
環境計量士
(濃度関係)
工場から排出されるばい煙、排水や環境(大気・水域)及び工場跡地等土壌の中の有害物質、悪臭物質等の測定及び計量管理
環境計量士
(騒音・振動関係)
プレス、送風機等の騒音源を有する工場や建設工事、道路(自動車)、鉄道、航空機の騒音の測定及び計量管理

今回は環境計量士の騒音・振動関係にピックアップして紹介していきたいと思います。
環境計量士の騒音・振動関係は工事や自動車の騒音や、振動、低周波音などを測定、計量管理をする資格となっています。簡単に言うと物理系の測定を行うことができる資格となっています。

この資格を持っていると、騒音や振動の測定分析を行った際に、計量証明書として、ちゃんと資格を持った人が測定した結果ですよという証明をすることができます。
国や県などの地方自治体の委託業務などですと、測定の仕事をする際にこの計量証明書が必要となります。そのため、国家資格として一定の需要がある資格となります。

この資格を持っていれば、環境調査会社などに就職する際に非常に有利に働きます。仕事を受注する際にもこの環境計量士の資格が参加入札資格となっており、この資格を持っていないと仕事を受注できないという構図になっているものが多々あります。
環境調査や建設コンサルタント会社などですと、有益な資格として資格手当を出している会社も非常に多いです。金額が多いところですとこの資格を持っているだけで月2万円程度の資格手当を支給している会社も少なくありません。

濃度関係については以下の記事で紹介しています。

「環境計量士(濃度関係)が難しすぎる」勉強方法や難易度、おすすめの参考書を紹介!
環境系の中でも非常に難しい国家資格とされている環境計量士の濃度関係について、その難易度と勉強方法、おすすめの参考書について紹介していきたいと思います。 環境計量士とは? 環境計量士とは計量法で定められている国家資格で経済産業省が管轄している...

環境計量士(騒音・振動関係)の難易度

環境計量士を持っているだけで月2万円の資格手当を出してくれる会社があるくらいなの結構難しい資格となっています。
英検や漢検などでいえば、2級~準1級ぐらいの難易度があるといえるでしょう。その物理学バージョンだと思っていただければ想像しやすいんじゃないかなと思います。

少なくとも高校の物理学の内容はすべてマスターしているレベルじゃないと合格は難しい難易度の高い資格となっています。

 

環境計量士(騒音・振動関係)の合格率

環境計量士の騒音関係の合格率は毎年18%程度と非常低い合格率となっています。昨年の合格率は18.4%ですのでなかなか合格するのは難しい試験であることがよくわかるかと思います。

ちなみに濃度関係が16.4%、一般計量士が21.0%となっています。計量士の資格の中では真ん中の難易度となっており、濃度関係よりは若干受かりやすいのかなという気がしますが、ほとんど変わらないくらいです。国家資格の中でも非常に難しい部類であることがよくわかるかと思います。

環境計量士(騒音・振動関係)の試験内容

環境計量士の試験は択一式の試験となっており以下の通り大問に分かれています。

共通科目 計量関係法規
計量管理概論
専門科目 環境計量に関する基礎知識(物理)
音響・振動概論並びに音圧レベル及び振動加速度レベルの計量

合格基準は共通科目が120点以上(全50問中30問以上正答)、専門科目が120点以上(全50問中30問以上正答)で合格となっています。2つの科目ともに6割解ければ合格できるという試験になっています。

共通科目がどんなに良くても専門科目で合格点を満たしていないと合格できませんのでまんべんなく勉強していく必要があります。

それでは科目ごとに実際の勉強方法のコツなどについて紹介していきたいと思います。

環境計量士(騒音・振動関係)の勉強方法とおすすめの参考書

まずは全体の勉強を進めるうえで一冊、環境計量士(騒音・振動関係)の問題集を購入するのがおすすめというか必須アイテムです。

中でもおすすめなのは、こちらの過去問題集です。

過去7回分の問題が整理されているためしっかりと演習を積むことができます。
これ一冊で共通科目から専門科目まで網羅されているので、優秀な人、物理学の基礎知識がしっかり備わっている人であればこの本で勉強するだけでもしっかり合格までたどり着くことができると思います。

環境計量士の問題は過去に主題されたことのある問題がまた出題されることもあるためまずは問題集でしっかり勉強を積んでいく必要があります。

法規などについては時々改定されたりして新しくなっていきますのでできるだけ新しい問題集で勉強しておくのがポイントです。

続いて紹介するのは大学入試の参考書として有名なチャート式です。
環境計量士の専門科目、特に基礎知識の分野に関しては高校の物理の内容をすべて理解している人はほとんど満点をとれるといっても過言ではありません。物理といっても音や振動に関する分野だけ覚えているだけでも結構解ける内容となっています。
ですが、暗記だけでなんとかならないのがこの試験の難しいところです。ちゃんと理解していないと中々合格点には届きません。
そこで、物理がそんなに得意じゃない方や、問題を解いてみたけど全然わからないという方は、こちらのチャート式で該当する分野の基礎から勉強しなおすのがおすすめです。
一見遠回りに見えますが、わからない分野だけ取り組めばいいので、結構効率的に進めることができます。

環境計量士の騒音振動関係

環境計量に関する基礎知識(物理)

先ほども説明したとおりですが、完全に高校で習う漢字の物理の内容が出ます。
公式を使った計算問題なんかもバリバリ出てきます。その時の暗記だけで攻略するのがなかなか難しいのでここで挫折して不合格になってしまう方が一番多い設問だと思います。

下記に過去問を一台抜粋してみました。

100 mの落差のある滝において、水の位置エネルギーがすべて熱に変化するものとすると、水の温度上昇(滝壷の水温と滝上部の水温の差)はいくらか。最も近い値を次の中から一つ選べ。ただし、空気抵抗は無視できるとし、水は周囲から断熱され、水の相変化もないとする。また重力加速度の大きさを9.8 m/s2、水の比熱容量を4.2 J/(g・K)とする。

こんな感じの内容で物理をやったことがない人にとってなかなか難しいです。
この問題を見ていまいちピンとこないレベルまで忘れてしまっている人、もしくは物理学を専攻していなくてそもそも全然知らないという方は、問題集の解説だけで理解することはなかなか難しいので、チャート式を購入して基礎から勉強していくのがおすすめです。

私も物理を専攻していなかったため一からの勉強となり非常に難しく感じました。

音響・振動概論並びに音圧レベル及び振動加速度レベルの計量

こちらの大問では環境計量士としての専門的な知識などが問われる設問となっています。

問題として騒音の音圧レベルや、振動の振動加速度レベルなどの測定に関するような問題が多く出題されます。

単発的な騒音が1分問に3回発生したとき、ある地点での各騒音の単発騒音暴露レベルは70 dB、73 dB、70 dBであった。この地点における、この1分間の等価騒音レベルは何dBか。最も近い数値を次の中から一つ選べ。ただし、暗騒音の影響はないとする。

問題としては上記のようなものが出題されます。実際の業務でも使うような内容が問われ非常に実践的な中身となっておりますので、試験に受かった後のことも考えて重点的に勉強をしていくのがおすすめです。

同じような問題も結構出てくることが多いので、問題集を中心に攻略していきましょう。

計量関係法規・計量管理概論

基礎科目である計量関係法規と計量管理概論はすべての計量士試験の共通問題になります。
計量関係法規は計量法に関する法律の問題が出題されちょっと物理系の試験とは一線を画した内容となっています。

次に示す計量法第12条第1項の政令で定める特定商品とその特定物象量の組合せとして、誤っているものを一つ選べ。
(特定商品) (特定物象量)
1 野菜ジュース 質量又は体積
2 ソース 質量又は体積
3 家庭用合成洗剤 質量又は体積
4 アルコールを含む飲料(医薬用のものを除く。) 質量又は体積
5 油性塗料 質量又は体積

実際の問題は計量法の条文が出題され、その重要な語句が虫食いになっていてそれを選択肢から選ぶ形式が多くなっています。計量法をすべて覚えていれば完璧に解ける内容となっていますので、計量法は隅々まで目を通しておきましょう。

計量管理概論は少し実践的な内容が入ってきたものになります。
問題はこんな感じです。

校正に関する次の記述の中から、誤っているものを一つ選べ。
A 校正に用いられる標準がより上位の標準を用いて校正されるという校正の連鎖によって、測定のトレーサビリティが実現される。
B 校正の作業には、校正式の点検と修正があり、測定器の校正方式によっては点検あるいは修正の一方のみを行う場合がある。
C 校正とは、計器又は測定系の示す値、若しくは実量器又は標準物質の表す値と、標準によって実現される値との間の関係を確定する一連の作業である。
D 測定器に対する測定環境の影響や経時的変化によって生じた系統的誤差は、測定器の校正を通じて小さくすることはできない。
E 計器又は実量器の日常的な校正や検査に用いられる測定標準を実用標準という

どちらも、高校や大学で習う内容とはかけ離れているので、なかなかとっつきにくい内容化と思います。結構勉強しないと合格点までは遠い道のりとなっていますが、暗記でカバーできる分野となっていますので頑張って勉強時間をかけるしかありません。
参考書の解説を見ながら進めて、しっかり頭に叩き込んでいきましょう。

工事中の騒音振動(環境計量士)

環境計量士(騒音・振動関係)の合格に必要な勉強時間

環境計量士は紹介してきたように非常に難しい試験であることから、合格のためには多大な勉強時間が必要となります。
高校の物理の勉強をしっかりマスターしている人であれば、2か月前くらいから毎日数時間勉強できれば合格までたどり着けるんじゃないかと思います。

高校の物理何それというレベルの方であれば半年以上前からコツコツと勉強を進めていかないと難しいかと思います。
私も物理を専攻していなかったので一回目は全然わからず不合格となってしまい、2回目の受験の時に晴れて合格することができました。

いずれにせよ頑張って勉強するほかないので、参考書を購入して資格勉強を始めてみましょう!

 

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