技術士とRCCMの違いについて徹底紹介【建設コンサルタントの資格】

環境系資格
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建設コンサルタントとして働いていくうえで非常に重要となる資格である、技術士とRCCMという資格の違いについて紹介していきたいと思います。

 

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技術士とは?

技術士は公益社団法人日本技術士会が管理している文部科学省所轄の国家資格です。
全部で21の技術部門があり、科学技術に関するほとんどすべての分野がカバーされています。

技術士の資格を持っていると国や地方自治体が発注する建設コンサルタントをはじめとする技術系の業務を受注することができ、その業務の責任者である監理技術者や照査技術者として業務に従事することができます。

そのため、環境コンサルタントや建設コンサルタントで技術士の資格を持っていると非常に重宝され就職でも有利になります。

 

RCCMとは?

RCCMとは、一般社団法人「建設コンサルタンツ協会」が認定する民間資格で、Registered Civil Engineering Consulting Manager(シビルコンサルティングマネージャ)の略となっています。

RCCMについても技術士の資格と同様に、22の技術部門に分かれています。多少分野の違いはありますがほとんど一対一の対応といった形となっています。

RCCMについても県や官公庁などの入札業務などにおいて参加入札資格となっており、この資格を持っていないと仕事を受注できないという形態となっています。また受注した仕事について監理技術者(主任技術者)や照査技術者として業務の管理や照査に携わることができるようになります。

 

技術士とRCCMの違いについて

技術士とRCCMの資格は国家資格と民間資格というだけで、一見すると大きな違いはないように思えます。

しかし、試験内容や難易度、資格の待遇などについてはところどころで違いが見られますので、これらの違いについて紹介していきたいと思います。

受験資格の違い

技術士とRCCMにはまず受験資格に違いがあります。
技術士の受験資格は、まず技術士一次試験(技術士補)に合格している必要があります。その上でその分野の職務経験が資格を取ってから4年間必要となります。
受験資格には細かい規定や職務経験などの制限やいろいろなルートがありますが、ここでは割愛させていただき、一番手っ取り早くて簡単なルートを紹介しています。

つまりは、大学生のうちに一次試験を合格して社会人になってから4年の実務経験を積むことでようやく受けられるという最短ルートとなっています。

技術士の一次試験については下記のページで紹介しています。

技術士一次試験(環境部門)の勉強方法とおすすめ参考書紹介!
本記事では、技術士の一次試験(環境部門)について勉強方法とおすすめの参考書を紹介していきたいと思います。 技術士とは 技術士は公益社団法人日本技術士会が管理している文部科学省所轄の国家資格です。 全部で21の技術部門があり、科学技術に関する...

対して、RCCMですが、こちらは事前の一次試験などは必要ありません。
しかし、実務経験が大学を卒業してから7年以上と技術士よりも長い実務経験が必要となっています。実務経験の年数については学歴によって異なり、修士卒であれば5年以上、高卒であれば、11年以上と年齢を考慮して必要な実務経験年数が変動します。

結論から行くとRCCMより技術士のほうが3年早く受験資格を得られるということになります。

試験内容の違い

技術士とRCCMは試験の内容も大きく違います。

技術士は前述したとおりまず技術士の一次試験(技術士補)に合格しなければなりません。こちらは非常に基礎的な内容となっており、高校レベルの理系分野の基礎学力系の問題や専門科目の基礎的な内容が問われます。こちらはすべて択一となっています。

その一次試験に合格して実務経験を積むことで、二次試験を受験することができるようになります。
二次試験は筆記(論述)と面接に分かれています。

筆記試験は専門科目の知識や問題解決能力を問うような内容で小論文を3題書かなければなりません。試験は一日がかりで行われ非常に難しい内容となっています。
面接試験は、筆記試験で合格した人のみが受験できる形式となっています。

対して、RCCMですが、まず一次試験に該当する試験がありません。そのため、実務経験があればだれでも受験することができます。
試験は筆記試験のみで面接はありません。筆記試験も択一の問題の試験と小論文の試験となっています。筆記試験の内容は技術士の内容と似たような内容となっており、両方の試験勉強を兼ねて進めることができるくらい似ています。

難易度・合格率の違い

技術士の試験は非常に難易度が高く難しい試験となっております。各分野によって多少試験の合格率は変わってきますが、大体10~15%位となっています。
これは技術士の一次試験を受かった後の二次試験の合格率であることからもその試験の難しさがわかるかと思います。
年々合格率は減少傾向にあり、合格するのが難しい難関の試験となっております。一説によると一級建築士の試験より難しいという方もいらっしゃいます。

対して、RCCMですが、こちらは合格率は40%程度となっています。
実務経験が7年も積んだうえでの合格率40%ですから、決して簡単な試験とは言えないのですが、それでも技術士の試験と比べてしまうと少し簡単な部類と言わざるを得ない難易度です。
しっかりと受験対策をしていけば合格できる試験だと思います。

資格の評価・待遇の違い

技術士とRCCMのの二つの資格は、前述したとおり技術士のほうが難しい資格となっています。

そのためこれらの資格はどうしても同程度の資格としては評価されません。一般にRCCMを持っている技術者よりも技術士を持っている技術者のほうが能力があって優れていると評価されます。
これは社会的な地位としての問題だけではなく実際の制度の面でも現れてきます。

一番明確に出てくるのは官公庁などの業務でプロポーザル方式や総合評価方式の業務を受注する際です。
プロポーザルや総合評価の業務ですと、価格点と技術点で点数が付けられその点数の高さによって業務が受注できるか否かが決まってきます。このうち技術点は主に技術提案書という業務への提案によって点数が決まりますが、これに加えて技術者の点数として資格の点数や、今までの業務表彰などによる点数が加わってきます。
この資格の点数が、技術士とRCCMでは大きく変わってきます。
技術士では5点もらえるのに対してRCCMでは1点しか入らないためここで4点の差がついてしまいます。

そのため、RCCMより技術士のほうが評価の高い資格ということが言えます。
では、技術士だけ持っていればいいのかというとそういうわけではありません。今までは、技術士という資格はRCCMの完全上位互換という立ち位置にありましたが近年ではそれが見直されつつあります。
資格の点数についても、技術士とRCCMの両方を持っているとさらに加点されるという評価方式に変わっていくことが決まってきています。そのため、RCCMと技術士の資格は両方持っている必要がある資格となってきています。

技術士とRCCMの違いまとめ

技術士とRCCMの違いについて重要なポイントをまとめてみました。

①難易度  技術士のほうが難しい
②評価   技術士のほうが資格としては評価されるが、両方持っているとさらに評価が上がる。
③受験資格   技術士は4年の実務経験と一次試験の合格、RCCMは7年の実務経験が必要

似たような資格ですが、基本的には技術士のほうが上位の資格と考えてもらってよいと思います。しかし、完全な上位互換の資格ではなく、両方持っていることでさらに評価が上がるという立ち位置の資格となっておりますので、技術士をすでに持っている人もRCCMの取得を目指して頑張ってみてください。

 

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