RCCMの勉強方法、難易度、合格率について紹介!

環境系資格
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建設コンサルタント等の仕事をしていく上で重要な資格となってくるものの一つにRCCM、シビルコンサルティングマネージャーという資格があります。

本記事ではRCCMの勉強方法や、資格の難易度、合格率等について紹介していきたいと思います。

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RCCMとは

RCCMとは、一般社団法人「建設コンサルタンツ協会」が認定する民間資格で、Registered Civil Engineering Consulting Manager(シビルコンサルティングマネージャ)の略となっています。

RCCMに建設コンサルタントに関する技術的な専門の資格で、全部で22の技術部門に分かれています。技術部門の中身は下記に示すとおりとなっています。

1.河川、砂防及び海岸     2.港湾及び空港
3.電力土木          4.道路
5.鉄道            6.上水道及び工業用水道
7.下水道           8.農業土木
9.森林土木          10.造園
11.都市計画及び地方計画    12.地質
13.土質及び基礎        14.鋼構造及びコンクリート
15.トンネル          16.施工計画、施工設備及び積算
17.建設環境          18.建設機械
19.水産土木          20.電気・電子
21.廃棄物           22.建設情報

建設コンサルタンツ協会が運営していることもあり、すべて建設事業に関わる技術分野の構成となっております。

RCCMは県や官公庁などの入札業務などにおいて参加入札資格となっており、この資格を持っていないと仕事を受注できないという形態となっています。また受注した仕事について監理技術者(主任技術者)や照査技術者として業務の管理や照査に携わることができるようになります。

RCCMによく似ている資格として、国家資格である技術士が挙げられます。技術士もRCCMと同様に県や官公庁などの入札業務などにおいて参加入札資格となっており、RCCMとよく比較される資格です。

RCCMと技術士の資格の違いについては下記のページで詳しく紹介していますので気になる方はこちらも読んでみてください。

技術士とRCCMの違いについて徹底紹介【建設コンサルタントの資格】
建設コンサルタントとして働いていくうえで非常に重要となる資格である、技術士とRCCMという資格の違いについて紹介していきたいと思います。 技術士とは? 技術士は公益社団法人日本技術士会が管理している文部科学省所轄の国家資格です。 全部で21...

RCCMの受験資格

RCCMは非常に専門性が高い資格となっているため、受験資格が設けられています。
RCCMの受験資格は各専門分野における、調査・設計、コンサルタントなどの業務経験(実務経験年数)を有していることとなります。必要な実務経験の年数は、学歴によって異なっており、詳細は以下の表のとおりです。

区分 基準となる学歴 実務経験年数
大学院
(修士、前期)
※博士、後期は在学期間を実務経験年数とみなします。ただし、RCCM専門技術部門に関係する内容に限ります。
※大学改革支援・学位授与機構より授与された方も修士として認めます。
修了後5年以上
大学 ※省庁大学(4年制大学相当)、高等専門学校専攻科を終了された方も学士として認めます。
※大学改革支援・学位授与機構より授与された方も学士として認めます。
卒業後7年以上
短期大学
高等専門学校
※2年生の理工系(RCCM専門技術部門に関係する内容に限る)専修学校を卒業した方は、短期大学卒業同等と認めます。 卒業後9年以上
高等学校 ※高等学校卒業程度認定試験、大学入学資格検定に合格した方も高等学校卒業と認めます。その場合は、合格した翌年度から、実務経験年数を起算してください。 卒業後11年以上
中学校 卒業後14年以上

上記の通り、大学を卒業した場合でも7年以上の経験年数が必要となるため、受けるまでには結構敷居の高い資格となっています。

RCCMの試験内容

RCCM試験は択一問題と技術問題で構成されています。

RCCMの試験は令和3年度からCBT方式となっており、定められた受験期間において好きな時に受けられるようになっています。

試験は、「RCCM試験A」と「RCCM試験B」の二つの試験で実施し、「RCCM試験A」は問題Ⅰ及び問題Ⅱ、「RCCM試験B」は問題Ⅲ及び問題Ⅳに分かれています。
受験を完了するためには両方の試験を受験する必要があります。
受験予約が可能であれば、同じ日に両方の試験を受験することも可能です。また異なる試験会場、異なる日時で受験することもできます。

各問題の概要は以下の通りです。

・問題Ⅰ 受験する専門技術部門の業務経験【記述式】 2400字以内記述式

・問題Ⅱ 業務関連法制度、建設一般の知識、技術者倫理等【択一】
業務関連法制度等の一般知識:4肢択 40問

・問題Ⅲ   管理技術力【記述式】
管理技術力の記述:1600字以内記述式

・問題Ⅳ   土木関連の基礎的技術知識と受験する部門の専門技術知識【択一】
土木関連工学等の基礎知識:4肢択 20問
受験する各専門技術部門の専門技術知識:4肢択 10問/20問

RCCMの合格率と難易度

RCCMの試験はそれぞれの問題のいずれについても配点の50%以上を得点し、且つ総合点で60%以上で合格となります。
そのためすべての問題についてまんべんなく対策をしていく必要があります。

合格率は毎年40パーセント程度となっています。
受験するのに、実務経験年数が必要なことを考慮すると合格率以上に難しい試験だと思います。

しかし、同類の試験である国家資格の技術士は合格率が15%程度であることから、それに比べると簡単な資格であるともいえますね。

 

RCCMの勉強方法

試験内容で説明した問題ごとに、試験内容の整理と勉強方法を紹介していきたいと思います。

問題Ⅰ 受験する専門技術部門の業務経験【記述式】

問題Ⅰは自身の業務経験を記述式で解凍するという問題となっています。
問題は以下の通りとなっています。

・あなたが受験しようとする部門について、業務実績証明書に記載した技術的責任者あるいは担当者として実際に行った業務の中から3つ選び、このなかの2つは次の4項目についてそれぞれ400字以内で記述しなさい。解答用紙の中では、【経験業務その1】と【経験業務その2】に記述し、冒頭の[  ]内には業務実績証明書記載欄の番号を記入しなさい。
(1) 業務の名称、発注者名、履行期間
(2) 業務の目的
(3) 業務の内容
(4) あなたの果たした役割

・前問の3つの業務のうち、残り1つは次の7項目について、1600字以内で記述しなさい。解答用紙の中では、【経験業務その3】に記述し、冒頭の[  ]内には業務実績証明書記載欄の番号を記入しなさい。
(1) 業務の名称、発注者名、履行期間
(2) 業務の目的
(3) 業務の内容
(4) あなたの果たした役割
(5) 技術上の問題点とその対応
(6) 業務の実施上の問題点とその対応
(7) 上記(5)(6)の対応について、現時点での評価
他の解答例をそのまま利用するなど技術者倫理に抵触するような場合には採点されません。
発注者の方は、担当した発注業務について発注者の立場から記述してください。

簡単に要約すると業務を3つ挙げてその概要をそれぞれ400字以内で記述(合計1200字)、そのあと一つの業務をピックアップして業際な業務経験を1200字で記載するという方式となっています。

試験はパソコンで入力していくシステムとなっていまして、実は細かく字数の制限が決まっています。

項目 文字数
前半 (1)業務の名称、発注者名、履行期間 100
(2) 業務の目的 100
(3) 業務の内容 125
(4) あなたの果たした役割 75
後半 (5) 技術上の問題点とその対応 425
(6) 業務の実施上の問題点とその対応 425
(7) 上記(5)(6)の対応について、現時点での評価 350

前半は3業務分書かなければならないので、前半で1200字、後半で1200字の計2400字を書かなければなりません。

試験時間は問題Ⅱと合わせて130分となっているため、結構時間が限られています。
その場で考えて書く時間はないと思っていたほうが無難です。
ありがたいことに問われる内容はすべて決まっておりますので、事前に回答をすべて作ってそれを覚えておくのがベストとなります。
作った回答を上司や同僚などに読んで添削をしてもらいブラッシュアップしておけば、さらに合格が近づきます。

問題Ⅱ 業務関連法制度、建設一般の知識、技術者倫理等【択一】

問題Ⅱは建設一般の基礎知識、制度、倫理等について問われる試験となっています。
問題は比較的優しく、しっかり勉強しておけば十分合格点に届くかと思います。

勉強はこちらの参考書がおすすめです。一般に発売されている参考書のうちで最も新しくわかりやすいです。新しいといっても2016年のものですが試験問題の内容はそんなに変わっていないので大丈夫です。

試験問題の出題分野と設問数、内容は下表のとおりです。

出題分野 設問数 内容
①制度・倫理・CPD 3 RCCM制度、RCCM倫理規定、CPD
②入札 1 プロポ・総合評価
③契約 5 契約約款、共通仕様書、積算基準
④品質確保 3 品質確保法、業務評定
⑤白書等 6 国土交通白書、インフラ整備課題など
⑥知財・倫理 2 技術者倫理、知的財産権

設問の数も基本的には毎年固定されていることからこの通り出題される可能性が非常に高いです。国土交通白書やインフラ整備課題については新し情報を少し取り入れていく必要があることから、最新の白書を読んだり、国土交通省の「国土のグランドデザイン2050」をはじめとする国土交通省の資料などを読んで最新の動向を勉強しておきましょう。

問題Ⅲ   管理技術力【記述式】

問題Ⅲについても記述式で1600字以内となっています。試験時間は問題Ⅳと合わせて130分となっていますのでこちらもなかなか時間が厳しい内容となっております。
問題の中身は、技術士(建設部門)の2次試験の問題Ⅰとほぼ同じ内容と思っていただいていいかと思います。

実際の問題は以下のような形で、毎回同じような問題が出題されます。

(1)近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくり
設問①、②について、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語、「気候変動」「インフラ老朽化」「一極集中」「国民生活・社会経済活動」「国土強靭化」「ハード対策」「ソフト対策」及び「防災・減災」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
①近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりに向けた課題
②近年の自然災害の激甚化に対する今後の国土づくりのあり方

(2)ICT、IoT、AI 技術の利活用
設問①、②について、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語「働き方改革」「長時間労働」「テレワーク」「ネットワーク環境」「Web 会議」「RPA」「BIM/CIM」及び「緊急事態宣言」のなかから4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4 つ以上を用いていればよい。
①我が国における建設生産性向上のための ICT 利活用の現状と課題
②我が国の建設業、建設コンサルタント業における ICT、IoT、AI 技術の活用方策

(3)設計成果の品質向上
設問①、②について、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「BIM/CIM」「照査体制」「コミュニケーション」「合同現地踏査」「業務スケジュール管理表」及び「建設コンサルタント業務の発注方式・評価方式」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
①設計成果の品質向上における現状と課題
②設計成果の品質向上に向けて、発注者と建設コンサルタントの対応のあり方

(4)維持管理と長寿命化
設問①、②について、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「老朽化」「地方公共団体」「ライフサイクルコスト」「更新」「予防的措置」及び「新技術」のなかから 4 つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4 つ以上を用いていればよい。
①社会インフラの維持管理の現状と課題
②社会インフラの長寿命化のあり方について

(5)人材確保と働き方改革
設問①、②について、1600 字以内で記述しなさい。次の6つの用語「生産性革命」「担い手確保」「外国人労働者」「長時間労働」「多様な働き方」及び「OJT」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
①建設コンサルタントの人材確保・育成の課題
②建設コンサルタントの働き方改革のあり方

(6)コンパクトシティの推進
設問①、②について、1600 字以内で記述しなさい。次の8つの用語「人口減少」「高齢化」「公共施設の老朽化」「公共交通」「生活サービス機能」「行財政」「都市のスポンジ化」及び「立地適正化計画」の中から4つ以上を用いて記述しなさい。記述文中で用いた用語は「 」で囲んで記述すること。
用語は①、②の全体を通して(「①のみ」「②のみ」「①、②併せて」のいずれも可)、4つ以上を用いていればよい。
①わが国の地方都市が抱える課題
②コンパクトシティ推進により期待される効果

RCCMの試験も技術士の試験も受けたことのない方にとってはなかなか難しい設問かと思います。
用語をしっかり理解しておく必要があることから、以下の書籍で勉強するのがおすすめです。

この書籍は、技術士二次試験の建設部門用に作られた最新のキーワードを整理したものです。
問題文中で使用するように指示された用語はすべて、この本の中で詳しく解説されています。
問題Ⅳの勉強にも役立つ、結構必須の参考書となりますのでぜひ購入して勉強を進めてみてください。

問題Ⅳ   土木関連の基礎的技術知識と受験する部門の専門技術知識【択一】

問題Ⅳ-1 土木関連の基礎的技術知識

土木関連の基礎的技術知識を問われる問題が30題出題されます。
問題は基本的に大学の土木学科のレベルの問題でそんなに難しい問題は出題されません。

しかし、専攻が土木系、建設系じゃなかった方にとってはなかなか鬼門の大問となってきます。
こちらに関しては頑張って過去問を解いて、覚えていくほかないかと思います。

問題Ⅳについては、Ⅳ-2の専門技術知識と合わせて50%取れればよいので、何とか半分程度溶けるレベルまで準備して、Ⅳ-2で点数を稼ぐというのもよい戦略かなと思います。

出題分野 出題内容 設問数
① 測量 座標、測量方法、距離や面積、作図など  2
② 構造力学  力およびモーメント、解析方法、構造形式など 3~4
③ 鋼構造コンクリート  材料および施工に際してのコンクリートの特性、鋼材 2~4
④土質工学  土の各種特性値、土圧、せん断・変形・圧密、液状化、各種試験内容 2~3
⑤ 水理 静水圧、ベルヌーイ式、マニング式、水理解析、限界水深、定流・不定流など 2~3
⑥ 施工管理 施工管理に関する様々な基礎的知識 1~2
⑦ 理数基礎知識 数学や化学などの高校~大学レベル基礎知識 2
⑧ その他  環境その他、1年限りのスポット問題が多い。27年度は火山噴火警戒レベル、PCウィルス、技術史が出題 3

 

問題Ⅳ-2 専門技術知識

こちらは共通の問題ではなく、選択した技術分野の専門技術知識を問う問題が30題出題され、そのうち10題を回答するというスタイルとなっています。

長年その分野に業務で携わってきた方にとってはそんなに難しい問題ではありません。
問題集などで勉強しておけば、割と簡単に全問正解できるのではないかと思います。

ただ、Ⅳ-1との兼ね合いもありますので、手を抜かずにしっかりと準備しておくのがおすすめです。

まとめ

いかがだったでしょうか。
RCCMの資格を取ることができれば、監理技術者として業務を受注することができるようになるため是非とも取得しておきたい資格です。

RCCMの試験内容は技術士の試験とも被る内容となっていますので、技術士の取得も目指して頑張ってみてください。

技術士一次試験(環境部門)の勉強方法とおすすめ参考書紹介!

また、下記のページでは、建設環境系のおすすめ資格を紹介していますので、こちらも読んでいただけると幸いです。

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