環境計量士は、難しい試験で知られている国家資格です。
ですが、環境計量士を持っていると環境系の仕事で非常に役に立つ資格です。
環境計量士という資格についての紹介と、試験に合格するための勉強補法を紹介していきたいと思います。
環境計量士とは
計量士は、医者や看護師などと同じように国が定めた国家資格です。
計量士は環境計量士と一般計量士に分かれています。
環境計量士は水質や土壌、大気、騒音などを測ったりするのに対し、一般計量士は物の長さや重さなどを測ったりするための資格のため、試験内容は結構異なってきます。
本記事では環境計量士に焦点を当てて紹介していきたいと思います。
一般計量士については、下記の記事をご覧ください。
一般計量士の試験内容と難易度、合格するための勉強方法と問題集を紹介
環境計量士は環境を調査するための非常に専門性の高い資格です。
環境計量士の試験は大きく二つの部門に分かれます。
一つ目は、濃度関係です。
工場から排出される排水や排気ガス、大気中や土壌内の有害物質などを測定・分析・評価・管理に関する業務を行います。
もう一つは、騒音振動関係です。
こちらは騒音・振動を専門に測定するための資格です。
道路や空港、工場などからでる騒音や振動を測定し、人体への影響を調べて評価する業務を行います。
どちらを受けるか迷っている方には、濃度関係をお勧めします。
なぜなら、濃度関係の分野のほうが仕事としての需要が高いからです。
環境計量士の試験内容
環境計量士になるためには国家試験に合格しなくてはなりません。
受験資格は設定されていないので、年齢・学歴に関わらず誰でも受験することができます。
5肢択一式の筆記試験で、環境計量に関する知識や技能に関する問題が出題されます。
環境計量に関する共通問題と、濃度関係と振動・騒音関係のそれぞれの専門問題から構成されています。
環境計量士(濃度関係)
・環境計量に関する基礎知識
・化学分析論及び濃度の計量
・計量関係法規 …(環境・一般の共通科目)
・計量管理概論 …(環境・一般の共通科目)
環境計量士(騒音・振動関係)
・環境計量に関する基礎知識
・音響・振動概論並びに温圧レベル及び振動加速度レベルの計量
・計量関係法規 …(環境・一般の共通科目)
・計量管理概論 …(環境・一般の共通科目)
環境計量士の難易度
環境計量士の難易度は非常に高いです。
合格率はいずれの資格も15~17%程度です。
部門の難易度としては、環境計量士(濃度関係)>環境計量士(振動・騒音関係)>一般計量士という順になっています。
よく似ている資格として公害防止管理者と比べられることが多いですが、公害防止管理者よりも難易度は高いです。
受験者の多くは大学生や環境調査業務に従事している方がほとんどです。
その中で合格率が15%程度ですので、大学卒業程度の学力でも非常に難しい試験であると言えるでしょう。
過去問から全く同じ問題が出題されることは稀で、問題の内容をしっかり理解した上で解答する力が求められます。
一回で受かる方は多くありません。
なので、落ちても何回か受けなおす覚悟が必要なほど、難しい試験なのです。
心して勉強を進めていきましょう。
合格基準
環境計量士の合格基準は毎年若干異なっています。
ですが、共通問題と専門問題ともに60割以上で間違いなく合格することができます。
環境計量士になるための勉強方法
環境計量士になるためには、環境計量に関する化学的な知識だけでなく、環境に関する法規的知識も必要になります。
そのため非常に幅広い出題範囲になります。
ですが、毎年問題の形式は似ており、似通った問題が出ることが多いのも確かです。
専門問題は非常に難易度が高いです。
勉強のポイントとしては、次に紹介する参考書・問題集をやり込むことです。
とりあえず、試験に合格しなくてならないのでひたすら同じ参考書・問題集を周回するのがよいです。
おすすめは問題集と過去問といった感じで二冊ほど購入してやり込むことです。
三周するころには、大分知識が身についてるはずです。
それが合格への一番の近道です。
化学の基礎知識も重要です。
基礎知識を身に付けていないと理解するのが難しい問題もありますので、基礎ができていないと感じる方は高校化学から復讐しておくとよいです。
順序としては、とりあえず過去問を一通りやることです。その中でわからなかった問題や苦手だと感じた分野を重点的に基礎から勉強していくのが1番早いです。
環境計量士の参考書・問題集
共通問題
法規・管理に関する共通の試験問題集です。
共通部分の問題集ですので、受ける方は必ず購入することがおすすめです。
回答と解説がしっかりしており非常にわかりやすいです。
濃度関係
多少値段は張るものの、解説と対策法が非常にしっかりしており一番おすすめの問題集です。
是非購入することをお勧めします。
これ一冊で、共通問題と濃度関係をカバーできる優れものの、問題集です。
若干レベルが高いのが難点ですが、問題量も非常に多いのでお勧めの一冊です。
騒音・振動関係
六年分の過去問を掲載している問題集です。
共通問題もあるのでこれ一冊で対策可能となっています。
騒音振動関係の基礎的な問題集です。
前に紹介したものとセットでやるとよいでしょう。
環境計量士の問題が難しすぎる方におすすめ
環境計量士の試験に合格するためには、化学分野の基礎知識が必要不可欠です。
環境計量士の問題が難しすぎると感じた方はもっと基礎から勉強をし直す必要があります。
そこで基礎知識が全くない方でもにおすすめの参考書などを紹介します。
こちらの参考書は基礎学力がない方でもわかるように非常に丁寧に解説してあります。
これ一冊で一から勉強をすることができる優れものです。
基礎知識などが欠けている方はこの参考書から取り組むのがおすすめです。
チャート式は高校生の勉強教材として有名です。
環境計量士で基礎となってくるのは化学の知識ですので、高校の化学から勉強しなおすのもおすすめです。
資格の合格だけに重点を置くとちょっと回り道にはなりますが、基礎を理解していないと応用はできません。
問題をしっかり理解して解く力を身に付けるには、高校の化学は避けては通れません。
将来仕事の場でも高校化学の知識は生きてくる場面がありますので、これを機にしっかり復讐しておくのがよいです。
環境計量士に合格するための勉強時間
環境計量士に合格するための勉強時間の目安を紹介していきたいと思います。
あくまで目安であり、この時間やったからと言って合格できるわけではございません。
化学が得意で化学系の大学を出ている方で60時間ほどの勉強時間が必要になります。
そうでない人は、100時間ぐらい必要になってきます。
化学が苦手な方に関してはこれ以上の勉強が必要になってくるのは必至です。
環境計量士は就職に有利
環境計量士を持っていれば、環境調査系の仕事では非常に役に立ちます。
環境コンサルタントや建設コンサルタントの環境分野の技術者などを目指す方に向いている資格です。
環境計量士は実務としては化学分析を行って、ダイオキシンなどの有害物質を測定したり、大気や土壌、海水などのに含まれる物質を調べたり、といったことを行っています。
環境計量士がいないと受注できない業務がたくさんあるので、なくてはならない資格です。
環境計量士に資格手当を出している会社も数多くあります。
人が安全な環境で生活していくうえでも、重要な仕事となりますのでやりがいも十二分にある仕事です。
社会人になってから取るには、勉強の時間を十分に設けるのが難しいです。できれば大学生のうちにとってしまうのがおすすめです。
難易度が高いだけのことはあって、就職の際にはとても優遇されるのでぜひとも早いうちに取得できるよう頑張って勉強してください。
環境計量士と併せて取っておきたい資格が技術士の資格です。
技術士については
技術士補(技術士一次試験)に合格した私が教える勉強方法と対策・難易度、おすすめ問題集
をご覧ください。
コメント