生物分類技能検定は、その名の通り生物を分類する能力を示す資格です。
3級はその中でも比較的簡単な初心者向けの資格です。
本記事では生物分類技能検定の3級の勉強方法・過去問・参考書について徹底的に紹介していきたいと思います。
生物分類技能検定3級について
生物分類技能検定の3級は、これから生物系の仕事に就きたい人向けの、初心者のための資格です。
2級からは、プロの資格とされています。
受験資格はなく、誰でも受けることが出来ます。受けている人は大学生が多いです。ですが小学生低学年位の方もたくさんいます。
試験内容
出題範囲はとても広く、植物も含め生物全般の知識が必要となってきます。
生物の名前を答える問題はもちろんのこと、基本的な生物学の知識や、分類に関する知識、生物の生態に関わる問題、そしてスケッチ問題など、試験内容も多岐にわたります。
問題は1問1点の四択問題が85問と写真を見て種名を答える問題が10問、スケッチが1問5点で合わせて100点満点です。7割取れれば合格することが出来ます。
試験時間は2時間で、1時間経過すると途中退出が認められています。(再入室は認められません。)
時間には大分ゆとりがあります。早い人であれば一時間かからずにすべて解き終えることができます。焦らずにゆっくり解いていきましょう。
難易度
生物分類技能検定3級の難易度はとても高く、まず初見で合格出来る人はほとんどいないでしょう。
合格率も毎年30%と低めです。
でも問題自体は生物好きであればさほど難しくないです。きちんと勉強すれば、小学生でも合格は難しくないです。
みんなが知っているような野菜などの半分常識的問題から、ちゃんと勉強してきた人じゃないとわからないような難しい問題まで、難易度も様々です。
ですが出題範囲が広すぎるため、この試験の合格率を低くしています。
これだけの出題範囲についてしっかりとした知識を持っている方は少ないので、初見で受かるほど甘くはないのです。
動物は詳しいけど、植物は全然わかりませんって人が多いと思います。
私もその1人で、植物には結構悩まされました。植物に関わらず苦手な問題をどうクリアするかがポイントです。
生物分類技能検定3級の問題集と勉強方法
過去問が大事
まず始めに、生物分類技能検定3級に合格するために1番重要なのは過去問を問いてすべて覚えることです。
こちらの2冊は受験する上で必須アイテムなので絶対購入してください!
問題集だけだと、理解するのが非常に難しいため、解説集も必須です。
なぜなら同じ問題がたくさん出るからです。大体3割くらいは過去問と全く同じ問題もしくはその知識でもって解ける問題なのです。
なので、5年分ある過去問を完璧に覚えるのが最初の一歩となります。
その他参考書と勉強方法
過去問をやりきってもやはりそれだけで合格するのはちょっと難しいものがあります。
過去問を解いてみた結果、苦手だと感じた分野の問題を重点的に勉強するのがポイントです。
基本的にはメジャーな種類の問題がほとんどですので、浅く広く勉強するのがポイントです。
私も植物は苦手でほぼ分からなかったので重点的に勉強しました。
分類群ごとの対策としてはまず苦手な分類群の図鑑を1冊購入することをオススメします。選ぶ図鑑はなるべく簡単なハンドブック程度の図鑑がいいです。
なんで、ハンドブックなどの簡単な図鑑がオススメかかと言うと、難しいマイナーな種類が載っていないからです。
3級の問題は初級者向けであるため、マイナーな種類は問題に出ません。問題で出てくる種は所謂普通種と呼ばれるような、そこら辺で見られる種類ばかりです。
なので、ハンドブックぐらいの簡単な図鑑が無駄がなくレベル的にもちょうど良いのです。
それでは、分類群ごとに勉強におすすめの図鑑を紹介していきたいと思います。
これらの図鑑を眺めているだけでも十分勉強になります。
植物(小学館の図鑑 NEOポケット)
身近な植物を紹介しているポケット図鑑です。
3級レベルの内容であればこの図鑑で十分対応可能です。
日本の淡水魚
こちらは淡水魚の図鑑です。3級においてはなぜだか海水より淡水魚の出題が多いので、淡水魚だけ対策しておくだけも十分です。
くらべてわかる昆虫
昆虫は比較的まんべんなく出ますが、甲虫は少ない印象です。
中々対応しずらい分類群ですが、メジャーな種類は見分けられるようにしておいたほうがいいです。
日本の爬虫両生類157
両生類爬虫類は、種類が少ないため非常に対策しやすいです。
しかも、写真の同定問題でも、よく出題されるのでしっかり押さえておきましょう。
新版 日本の野鳥 (山溪ハンディ図鑑)
鳥類も種類は多いですが出題されるのは誰もが名前を聞いたことある種類ばかりなので対策はしやすいです。
苦手な分類群はこれらの図鑑で覚えておくと合格にぐんと近づきます!
生物分類技能検定のスケッチ対策
スケッチ問題は実際に実物標本を見て、そのスケッチを取ります。標本の管理や準備の問題という大人の事情があるため、過去に出たものと同じものが出題される可能性が非常に高いです。
とはいえ、生物スケッチには基本的なルールがあります。
一番重要なのはその絵を見た時にその生物だとわかるようなスケッチを撮らなければなりません。そのため大きさや部位毎の比率といった所は正確でなければなりません。テスト本番では定規を持っていって最初に生物の大体の大きさを把握したうえで、それを回答欄に収まるように目いっぱい拡大してスケッチを撮るようにしてください。
絵画でないので、生物の線は途中で途切れたり、二重になったりしてはいけません。輪郭などは必ず一本の線で描き、繋がるところはしっかりと繋げて描きましょう。
他にも生物の黒い部分は黒く塗りつぶしてはいけないというルールもあります。生物スケッチの濃淡はすべて点描で表現しなければならないのです。
試験時間には大分余裕があるので、ゆっくり丁寧に書くことを心がけましょう。
ただ上手く模写すれば満点がもらえるという訳ではありません。逆に下手でもちゃんとポイントさえ押さえておけば満点が貰えます。
生物スケッチをしたことがない方は、こちらの専門書を読んでおいてください。
実際にフィールドに出てみる
ハンドブックを片手に実際にフィールドに出て生き物を見て覚えるのも効果的です。
座学だけでも合格することは出来ますが、実物を見て覚えた方が楽しく覚えられます。
また、実物見た方が早く覚えることが出来て尚且つ、覚えたことを忘れにくいというメリットがあります。
生態写真が出出来て種名を答えなければならない問題も10問出てくるので、フィールドに出て勉強するのも非常に重要です。
是非実際にフィールドに出てみて観察して勉強して下さい。
生物分類技能検定3級は通過点である
3級は初心者向けの資格で、まだまだ通過点です。この資格を持っているからといって優遇されることはほとんどありません。
3級に合格したら、是非プロの資格とされている2級以上の取得を目指してください。
2級以上になりますと、採用試験で優遇されたり、名刺に資格として書くことができます。
そしてゆくゆくは一級の取得を目指しましょう!

コメント