こんにちは、かしぱんです。
アサギマダラという蝶を知っていますか?
この蝶は、渡り鳥ならぬ渡り蝶なんです。
小さい体でとてつもない距離を移動します。
そんなアサギマダラの一生を紹介していきたいと思います。
アサギマダラとは?
出典:Wikipedia
分類と特徴
アサギマダラは、チョウ目タテハチョウ科に属する蝶の1種です。翅を広げたときの大きさは50mm~60mmほどの中型の蝶です。
アサギマダラはその名の通り、浅葱色をしています。浅葱色というのはとても綺麗な色で、昔の色の呼称でおおよそ青緑色のことを言います。
アサギマダラ自体も非常に綺麗な色をしています。
どちらかというと淡い青色といったところでしょうか。
アゲハチョウのように頻繁に小刻みに羽ばたくことはなく、大きく非常にゆったりと羽ばたきます。なので、飛ぶ様は非常に優雅で素敵です。
人間に対する警戒心も薄く、近づくことも簡単であまり逃げません。
あえてゆったり飛ぶことによって、自分が毒を持っている危険な蝶だということをアピールしているという意見もあります。
そのおかげで非常に近づいてみることのできるすてきな蝶です。
分布
日本全土でみることができます。
渡りをする蝶なので、関東では5月~10月にかけて見ることができます。
反対に南西諸島では11月~3月にかけてみることができます。
アサギマダラ食草とフジバカマ
フジバカマで吸蜜するアサギマダラ(出典:Wikipedia)
アサギマダラは、フジバカマを非常に好んで吸蜜にきます。
フジバカマをまとめて植えているところにはたくさんのアサギマダラがやってくるのです。
フジバカマは秋の七草で知られる植物です。
キク科ヒヨドリバナ属に属しています。
かつては日本各地の河原などに自生していましたが、現在では年々数を減らしており、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。
他にもアザミやヒヨドリバナを好んで吸蜜に来ることが多いです。
そのためアサギマダラの食草はフジバカマだと思っている方も多いかと思いますが、これは間違いです。
でも、フジバカマはアサギマダラにとって非常に重要な植物なので、保全していく必要があります。
アサギマダラの食草はキジョラン、カモメヅルなどのガガイモ科の植物なんです。
ガガイモ科の植物は強いアルカロイド系の毒を持っています。
この毒を体内に取り込むことによって鳥などの外敵に食べられるのを防いでいるのです。
なので警戒心が薄く、大きくゆっくりとした優雅な羽ばたきをすることができるのです。
採集して手で触ったりする分には無害ですので、大丈夫です。
アサギマダラを見つけたいときは、このフジバカマがたくさん植わっているところを探すとよいでしょう。
アサギマダラに似ている種類
アサギマダラに見た目がよく似た種類として、リュウキュウアサギマダラがいます。
リュウキュウアサギマダラは、アサギマダラに比べて黒い筋が多くて太く、後ろばねの後端が褐色になることはありません。
またアサギマダラと比べると、リュウキュウアサギマダラのほうが小型です。
南西諸島にのみ分布しています。
本州では基本的に見ることができないので、間違えることはないでしょう。
リュウキュウアサギマダラもアサギマダラと同様に毒を持っています。
アサギマダラの渡りとその一生
アサギマダラは秋に日本本土から南西諸島や台湾に渡ります。
そして初夏になると反対に南西諸島から日本本土に飛来してくるのです。
南西諸島で繁殖もしくは本土の温暖な地域で幼虫越冬したあと、蛹、そして成虫となり、夏に本土の清涼地で繁殖のために移動するのです。
アサギマダラの成虫はマーキングによる調査がされています。
マジックで羽の裏側に、採集した日付と場所を記載して放蝶します。
そして別の場所で捕まえることができれば、その間にどれだけ移動することができたかを知ることができるのです。
その調査によると最大で2500km移動した記録があります。
また一日に移動する距離も最大で200kmに及ぶことがわかっています。
あの小さな体でそれだけの距離を飛んでくるのはびっくりですよね。
その旅路で命を落としてしまう個体もたくさんいるんでしょう。
ですが実はアメリカにはもっとすごい渡りをする蝶がいるんです。
その名は、「オオカバマダラ」
オオカバマダラは北米から南米のメキシコまで、なんと3000㎞以上もの移動をするのです。
アサギマダラ同様毎年その移動を繰り返します。
しかも移動距離だけでなく数も莫大です。
なんと数千から一億の群れになるとも言われています。
さすがアメリカです…
ちょっと話が脱線してしまいましたが、とにかく渡りをする蝶はすごいです。
命がけで渡りをするなんて、とても神秘的ですよね。
見た目もとてもきれいな蝶ですので、皆さんも探してみてください。
見つけたら、マーキングして移動調査に参加してみるのもいいかもしれません。
ポイントはフジバカマのたくさん植わっている所を探すのが手っ取り早いです。
是非探しに行ってみてください。
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