本屋大賞受賞作品、一瞬の風になれの感想・書評を紹介していきたいと思います。
おすすめの青春小説なので、ぜひ読んでみてください。
一瞬の風になれとは?
作家・佐藤多佳子さんの代表作品です。
陸上競技のスプリント(短距離走)をメインにした、スポーツ青春小説です。
陸上競技初心者の主人公が、幼なじみの天才スプリンターと切磋琢磨して最速のスプリンターを目指していくお話です。
本屋大賞を受賞して、ドラマ化、マンガ化までされている、人気作品です。
一瞬の風になれのあらすじ
主人公の神谷新二は、高校入学して最初のスポーツテストの50m走で幼馴染の一ノ瀬連と一緒に走ることになります。連は天才的なスプリンターで中学時代は全国大会でも活躍していました。ですが、とある理由で、中学二年で陸上部はやめてしまっていました。
新二についても、中学ではサッカー部に属していたものの、天才的なサッカー選手である、兄を間近で見て、自分には兄を越えられないと感じて、サッカーを続けないつもりでいました。
走りにはそれなりに自身のあった新二は連がどのくらい速いのか知りたくなり、本気で勝負をするように言います。
結果は新二の惨敗…。
それでも新二は、陸上部の根岸より早いクラスで二番目のタイムだったのに、連の背中は遥か彼方でした。
連の速さに衝撃を受けた新二は、連の速さをもっとまじかで見たい、追いついて追い抜きたいと思うようになります。
そこで、新二はスプリントをやることを決め、連を陸部に誘うのでした。
「おまえ、陸部、入れ」
「新二も走る?」
「おう」
こうして新二はスプリンターとしての道を歩み始めたのでした。
一瞬の風になれの感想・書評
一瞬の風になれはとても面白い小説です。
スポーツ小説の中ではずば抜けていてとても面白い作品です。
見どころはやっぱり、新二がメキメキと成長していって、連とライバル関係になる所ですね。
そして、連のかっこよさも見どころです。
試合のシーンの描写はほんとに素晴らしいです。スプリント競技の臨場感や疾走感がとても伝わってきて読んでてこっちまで興奮してきます。
特に、連の速さを表現している文な度はとても素敵です。
タイトル通り、一瞬の風になって走っていく様が上手く表現されています。
人物の心情描写もとても素敵で、どんどん物語に取り込まれていきます。
いつの間にか物語の一員になったみたいな感じでとても面白いです。
競技以外にも、谷口さんとの恋愛模様も読んでて面白いです。見た目に反してめっちゃ初心な新二の恋愛が素敵です。読んでてすごいドキドキしちゃいました。
読んでて頭の中を映像として流れていく感じがしてすごく読みやすい作品です。舞台の状況がすごい伝わってくる書き方をされているんだと思います。
読んだら最後、3巻イッキ見したくなるほど、引き込まれる作品です。
とにかく面白くて熱い青春小説です。
一瞬の風になれのキャラ(登場人物)
一瞬の風になれのメインのキャラを紹介していきたいと思います。
神谷新二
本作品の主人公です。
中学校までは兄に憧れ、サッカーをしていました。しかし、天才的才能を持つ兄を持ち、努力だけでは到底埋めることの出来ない差を感じていました。
高校ではサッカーを辞めてしまいます。
50m走で幼なじみの連と一緒に走ったことがきっかけで、根岸にも誘われ、連と一緒に春野台高校、陸上部に入部します。
もともと、足速かったのですが、正しい走り方、練習を積むうちにメキメキと頭角を表していきます。
4継では、特別力を発揮し、100mの王者仙波を追い上げる走りを見せます。
100mよりも200mではやく、200mでは連とも互角で走れそうなレベルです。
一ノ瀬連
新二の幼なじみでチームメイトです。
天才的スプリンターで、フォームがとても綺麗です。中学校時代は、全国大会の決勝まで進んだ実力を持ってます。
しかし、練習嫌いで顧問と馬が会わず、中学の途中で陸上部を辞めてしまいます。
新二に誘われ高校で、もう一度走り出します。
連の速さはほんとに圧巻です。めっちゃカッコイイキャラクターです。
根岸
新二と連の同級生で、4継のリレーメンバーです。
もともとは、400mの選手で、短距離スプリントは専門ではありません。
3年次には、鍵山という1年生スプリンターが走ることになり、メンバーからは外れています。
桃内
新二の一個下の後輩で、四継のリレーメンバーです。
大の筋トレ好きで、プロテインをよく飲んでいます。可愛い後輩という感じのキャラです。
鍵山
新二の2個下の後輩で、四継のリレーメンバーです。
ちょっと問題児で、連に憧れ付きまとっています。連にはウザがられています。
桃内とも仲が悪く、少し仲間と上手くいっていません。
でも、実力は確かで、春野台のリレーの鍵を握っています。
谷口若菜
新二の同級生で陸上部のチームメイトです。
そして、新二が思いを寄せている相手でもあります。
もともとはスプリントをやっていましたが、思うように結果がでず、長距離に転向しています。
同じ中学の陸上部だった、仙波に憧れています。
大人しめの性格ですが、とても優しそうで可愛いです。新二が好きになるのもわかります(笑)
三輪先生(みっちゃん)
春野台高校の陸上部顧問を努めている先生で、相性はみっちゃんです。
ゆるい性格で、のんびりしてます。
生徒からもみっちゃんと呼ばれ慕われています。
練習嫌いの連もみっちゃんが顧問じゃなかったら、陸上部続けられなそうです…(笑)
神谷健一
新二の兄でサッカーをやっています。
名門サッカー部で、1年生のうちからレギュラーを獲得しているスタープレイヤーです。
後に、ジュビロ磐田に進んでプロサッカー選手となります。
しかし、自動車事故により、二度とサッカーが出来なくなってしまいます。
仙波
王者、鷲谷高校のスプリンターのエースで、本作の最速ランナーです。
連よりも速いです。淡々としていて、クールで隙もないまさに王者の風格です。
谷口さんが憧れるのもわかるかも。
一瞬の風になれのネタバレ
ここからは、一瞬の風になれのネタバレになって行きます。
まだ見たくない方は飛ばしてください。
3年次の県大会で、根岸、連、桃内、新二の4人で走ります。1年の鍵山は肉離れの怪我で、欠場でした。
それでも、王者・鷲谷高校相手にいい勝負をします。そして新二に至っては後半、仙波を追い上げるという快走を見せます。
これに鍵山が入れば、南関東では鷲谷に勝てるかもしれない!!
夢物語が現実のものとなってくる瞬間でした。このレースはほんとに鳥肌が経ちました。
一瞬の風になれラストシーン
そして迎えたインターハイ南関東大会、1走の鍵山も見事ハマり、連、桃内、新二もベストの走りを見せます。
バトンパスも完璧に決まり、ついに鷲谷を破って優勝します。
このシーンは圧巻でした。
そして、インターハイ三日目の夜、200m決勝を前にして新二がホテルで眠りにつくところで物語は終わります。
新二は100mより200mの方が得意です。100mでは、まだまだ連に及ばないものの、200mではほんとに競っています。
物語が最高潮に達したところで終わる、なんかもう少し続きが気になってしまいますが、佐藤多佳子さんらしい終わり方な気がします。
200mでは、仙波を破って、連にも勝って、新二が優勝しちゃうんじゃないかなっていう予想を抱きながら読み終わりました。
一瞬の風になれの名シーン・おすすめポイント
一瞬の風になれはなんと言ってもラストシーンの四継リレーです。
みんなの思いが詰まった四継リレーがほんとに鳥肌モノです。
ぜひ読んで欲しいシーンです。
一瞬の風になれ続き、続編は?
イチニツイテ、ヨーイ、ドンの3巻構成出できているので、続編はなさそうです。
続きがとても気になりますが、発売から大分時間が経っているので今更続きも無いのかなと思います。
これはこれで、素敵な終わり方ですが、いつかづづきが出てくれたらなと思う気持ちもあります。
一瞬の風になれのアニメ化は?
こちらについては期待してもいいかもしれません。マンガ化もドラマ化されていますし、ちょっと期待しています。
三浦しをんさんの風が強く吹いているもアニメ化されていますし、一瞬の風になれのアニメ化は十分あると思います。
ちょっと古い作品ですが、フジテレビのノイタミナ枠ならやってくれそうです。過去にも、ピンポンやBANANAFISHなどちょっと古い作品もアニメ化しています。小説原作も四畳半神話大系などアニメ化しているので期待できるかと思います。
ノイタミナの製作者さんお願いします!!
一瞬の風になれ以外にもおもしろいスポーツ小説はたくさんあります。
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